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2016年6月16日(木)

仏全土130万人 決起

解雇規制緩和・雇用者の裁量拡大ノン

労働法改定案 政府は上院採決狙う

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(写真)14日、仏政府が進める労働法改定案に抗議するため、パリのデモに参加する労働者、学生ら(島崎桂撮影)

 【パリ=島崎桂】フランス各地で14日、仏政府が進める労働法改定案、通称「エルコムリ法案」に抗議する大行動が行われました。抗議行動は仏議会が審議を続けている中でも衰えをみせず、拡大。3月以来9度目となる今回の行動には、全国で130万人(主催者発表)が参加し、これまでで最大の規模となりました。

 同法案は、解雇規制の緩和や、賃金・労働時間に関わる雇用者の裁量拡大を企図したもの。主催者発表で16万人、警察発表で8万人に達したパリでのデモ参加者は、「交渉の余地も、修正の余地もない」などと唱和し、法案の「純粋かつ単純な廃案」を要求しました。

 仏最大労組・労働総同盟(CGT)トヨタ自動車支部はこの日、ストを実施。同支部のエリック・ペキュール支部長(49)は、「エルコムリ法案は経営者に多くの権限を与えるもので、長時間労働や低賃金、失業増を招く。経営陣は法案成立を心待ちにしているが、圧倒的多数の労働者は反対している」と語りました。

 フランスでは現在、サッカー欧州選手権(ユーロ2016)が開催中。デモを呼び掛けた7労組・学生団体は、交通機関のストなどによる観光客への影響に配慮し、パリで試合がない14日を行動日に決めました。CGTは約600台の大型バスを手配し、デモ参加者の移動手段を確保しました。

 各地のデモではこのほか、「破壊者」と呼ばれる一部の群衆が警官隊と衝突。近隣のレストランや商店の窓ガラスが割れるなどの被害に加え、多数の負傷者、拘束者が出ました。

 仏政府は先月中旬、下院での法案審議にあたり、憲法上の規定を行使し、採決を行わずに法案を強行採択。仏上院では13日から同法案の審議が続いています。上院で多数派を形成する野党・共和党は、現行の労働法が規定する「週35時間労働制」の撤廃を求めるなど「超自由主義的」(バルス仏首相)な法案修正に向けて圧力を強めています。

 仏共産党のロラン全国書記(党首、上院議員)はパリでのデモの中、「政府は、この巨大な抗議行動を考慮すべきだ」と述べ、廃案に向けた政府との対決姿勢を強調しました。

 上院は今月28日に法案採決を予定。その後、下院での最終審議に移ります。労組・学生団体は23、26の両日にも新たな抗議行動を呼び掛けています。


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