2016年6月11日(土)
2016米大統領選
サンダース氏と会談
オバマ氏 挙党態勢を要請
格差是正「貴重な役割」
【ワシントン=島田峰隆】オバマ米大統領は9日、11月の大統領選挙に向けた民主党指名候補争いを続けているサンダース上院議員とホワイトハウスで会談しました。米メディアによると、オバマ氏は、経済格差の是正などを訴えるサンダース氏に対し、「民主党の再活性化に貴重な役割を果たせる」と語り、本選に向けた挙党態勢を要請しました。
会談後の記者会見でサンダース氏は「われわれは一握りの富裕層が政治や経済、メディアを巨大な力で牛耳る社会に反対するために、あらゆることに取り組み続ける」と強調。14日の首都ワシントンでの最終予備選に挑み、7月の民主党全国大会までたたかい続ける姿勢を示しました。
同氏は一方で、共和党の指名獲得を確実にした実業家のトランプ氏について「偏見と差別の候補だ」と批判し、「トランプ氏の当選を阻止するためあらゆることをする」とも語りました。
オバマ氏は9日に投稿したインターネット動画で、民主党の指名候補を獲得したと報じられるクリントン前国務長官を支持すると表明しました。オバマ氏はクリントン氏の国務長官としての実績をアピールし、「これほど適任の人はいない」と述べました。
オバマ氏は動画の中で、サンダース氏の選挙活動に感謝を表明。経済格差の広がり、政治をゆがめる大企業や富裕層の献金などに焦点を当てて若者の政治参加を促進したとして「素晴らしい選挙運動だ」と語りました。また「サンダース氏のメッセージを受け入れることが本選での勝利に資する」と強調しました。
8、9の両日にはワシントン市内で、民主党全国大会で決める政策の起草委員会が関係者の意見を聞く第1回会合を開きました。予備選でのサンダース陣営の勢いを受けて、15人で構成される委員会のうち5人はサンダース氏が指名した活動家や有識者です。最低賃金時給15ドルや化石燃料依存からの脱却などサンダース氏の公約を政策に反映するよう主張しています。