2016年6月8日(水)
南シナ海 米中譲らず
戦略・経済対話が閉幕
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【北京=小林拓也】北京で開かれていた米中政府が外交や政治、経済課題を話し合う第8回米中戦略・経済対話が7日、閉幕しました。焦点の南シナ海問題では、双方が主張を譲りませんでした。一方、北朝鮮の核問題では、米中両国が一致して対応することを確認しました。
北の核 一致して対応
閉幕後の記者会見で、ケリー米国務長官は「2日間で得た重大な進展は、建設的な方法で直面する挑戦を解決するということだ」と述べ、「われわれは協力を進めるべきで、衝突すべきではない」と強調しました。
中国の楊潔篪(ようけつち)国務委員は「中米は敏感な問題で意見交換をし、建設的な方法で意見の違いを管理する」と応じました。
焦点となった南シナ海問題で、ケリー氏は、国際法に基づいた平和的な解決を強調。中国が進める南シナ海の軍事拠点化などを念頭に、「どの国も現状を変更すべきではない。すべての国が自制すべきだ」と求めました。
楊氏は、フィリピンが提起している仲裁裁判に対し「受け入れない、参加しないという立場は変わらない」と改めて表明。「米国は南シナ海の平和と安定を守るために建設的役割を発揮してほしい」と反発しました。
またケリー氏は、北朝鮮への国連安保理制裁決議について、米中が履行していく方針を確認したと明らかにしました。
台湾問題に関し、楊氏は米国が「一つの中国政策」を堅持するよう求め、「実際の行動で両岸(中台)関係の平和発展を支持してほしい」と述べました。
経済対話では、米中投資協定の早期締結で一致。中国の鉄鋼過剰生産の問題で米側は大幅減産を迫りました。