2016年5月18日(水)
コロンビア 子ども戦闘員解放へ
政府・武装集団が合意
コロンビア政府と同国の最大の反政府武装集団「コロンビア革命軍」(FARC)は15日、キューバの首都ハバナで行っている和平交渉で、FARCが15歳未満の戦闘員を解放し、市民生活に戻すことで合意しました。交渉の仲介にあたっている国連事務総長子どもと紛争に関する特別代表部が16日、明らかにしました。 (山崎伸治)
FARCは昨年、子どもを戦闘員として取り込むことをやめると宣言。しかしすでに戦闘員となっている子どもの扱いについては、合意が得られていませんでした。
共同会見で政府交渉団のデラカジェ代表は合意について、「FARCが子どもの身元と居場所を突き止めるのに必要な情報を提供し、(部隊を)離れることに協力する」と説明。FARC交渉団のマルケス氏は「子どもらが起訴されず、犯罪者としてではなく、社会的・政治的な大事件の被害者として扱われるよう合意した」と述べました。
ロイター通信によると、FARCには8000人の戦闘員がいるとみられています。FARCは15日、15歳未満の戦闘員は21人だと明らかにしました。
合意の履行は、国連児童基金(ユニセフ)と国際移住機関(IOM)が監視します。
コロンビアでは、武装集団や犯罪組織などがティーンエージャーを取り込み、伝令やスパイ、料理人、荷物運びなどに従事させてきました。FARCは武器や手りゅう弾などの訓練も行っていました。
半世紀にわたる武力紛争の終結に向けたコロンビア政府とFARCの和平交渉は、今年3月に期限を迎えましたが、双方が継続を確認。最終的な和平合意をめざして、今月4日から再開されていました。