2016年5月9日(月)
ポーランド 24万人デモ
右派強権政治に抗議
市民が主催、最大野党も参加
【パリ=島崎桂】ポーランドの首都ワルシャワで7日、強権的なメディア介入や司法権の弱体化を進める政府・与党に抗議する大規模デモが行われました。参加者は24万人(ワルシャワ市発表)に達し、同国では旧支配体制が崩壊した1989年以来最大のデモとなりました。
昨年10月の総選挙で勝利した右派与党「法と正義」は政権獲得後、公共放送の幹部人事や、憲法裁判所の判事人事に介入。政権批判の封殺と併せ、政府が推進する施策への違憲判断は極めて困難な状態となっています。
欧州連合(EU)は1月、ポーランド政府への調査を開始。シドゥウォ首相を聴取するなど懸念を強めています。ただ、同政府はその後も捜査当局による盗聴の規制緩和に動くなど、強権的な姿勢を崩していません。
「私たちは欧州にとどまる」を合言葉に行われたデモは、市民団体「民主主義の擁護委員会」が主催したもの。最大野党「市民プラットフォーム」やポーランド農民党など複数の野党も加わりました。
多くの参加者は、ポーランドとEUの国旗を手に、「欧州でのポーランドの地位を守る」と唱和。隊列に加わったコモロフスキ前大統領は、「ポーランドの自由と民主主義を守るため、私たちはここにいる」と語りました。
同日、ワルシャワで行われた政権支持のデモには、約2500人が参加しました。