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2016年5月5日(木)

安保理 病院空爆に非難決議

攻撃は「戦争犯罪」指摘

公正で独立した調査求める

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 【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は3日、武力紛争下での病院、医療・人道関係者、傷病者への攻撃を非難し、そうした事態に対しては、全面的で偏りのない調査を行うよう国連加盟国に促す決議を、全会一致で採択しました。


 決議は、昨年10月にアフガニスタン北部で病院を米軍に空爆された国際医療支援団体「国境なき医師団」(MSF)が求めていました。日本やスペイン、エジプトなど5カ国が起草しました。

 決議は、武力紛争下で医療施設やその関係者への攻撃が増えていると懸念を表明。国際法は無差別攻撃の禁止、民間人と戦闘員の区別を定めているとして、医療施設などへの攻撃は「戦争犯罪」だと指摘しました。

 傷病者や医療・人道支援関係者の保護に違反する行為があれば、「全面的、迅速、公正で、効果的な調査を独立した形で行うこと」を各国に要請。国連事務総長に対しては、医療施設への攻撃の防止や傷病者の保護、責任者の追及などの方策を安保理に早急に勧告することと、同決議の実践状況を毎年報告することを求めました。

 討論でMSFのリュー会長は、アフガンやシリアなどでの病院攻撃について「誤爆といわれるが、実際に起きていることは民間人に対する大量、無差別、不釣り合いな攻撃だ」と指摘。「責任追及は公正な事実確認から始まる」として、これらの攻撃に関する独立した調査が実施されていないことを批判しました。

 赤十字国際委員会(ICRC)のマウラー総裁は、過去3年間に11カ国で医療施設等に対する攻撃が2400件あったと強調。「病院攻撃は無数の人々から医療を受ける機会を奪う。子どもの死亡率低下や妊婦の健康増進、疾病とのたたかいなど何十年もの努力を数秒で消し去る」と語り、決議の実践を訴えました。

 米政府代表は、アフガン北部での病院空爆について「人為的ミス、システムや手続きの不具合だった」と繰り返しました。米軍はこのほど、同空爆は「意図的でなかったので戦争犯罪に当たらない」とする報告書を出し、MSFなどから批判されています。

 シリアでは4月27日、政府軍の攻撃下にある北部アレッポでMSFが支援するアルクッズ病院が空爆され、医師や患者ら30人以上が死亡しました。


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