2016年5月2日(月)
イラン 保守強硬派敗北
議会選 改革派躍進 政権に信任
【カイロ=小玉純一】イラン国会(定数290)の議員選挙の結果の大勢が4月30日、判明しました。2004年選挙以来、多数を占めてきた保守強硬派は、最多でも120余で、過半数を割る敗北です。これに対し、穏健・改革派は120〜140台。16年ぶりに最大勢力となるのは確実です。その他、独立系が最多で80余となる見込み。
ロウハニ大統領を支持する穏健・改革派の躍進は、ロウハニ政権への国民の信任と期待をはっきり示しました。
来年に大統領選挙を控え、2期目へ立候補が予想されるロウハニ師にとって追い風といえます。
ロウハニ政権は昨年、欧米などとの核合意でイランへの制裁解除の約束をかちとりました。今後、海外との経済関係を強め、経済発展につなげたい考えです。
核合意に抵抗してきた対米強硬派の議員の多くが議席を失っています。
独立系議員は、個々の案件ごとに態度を決めると同時に、大統領に好意的であると伝えられています。ロウハニ政権が進める海外との経済協力を、国会が後押しすることが多くなりそうです。
選挙は、最初の投票を2月26日、決選投票を4月29日に実施。決選投票は、2月の投票で、どの候補も得票率25%に満たず、当選者が決まらなかった55選挙区68議席が対象。穏健・改革派は2月の投票で首都テヘラン全議席を独占するなど躍進し、決選投票でも68議席中30余を確保しました。
新国会は5月28日からの予定です。女性議員は17人。うち穏健・改革派が11人。投票率は2月が62%、今回が59%でした。イランの人口は8000万人。