2016年4月30日(土)
シリーズ 共産党の改革提案
チェンジ 安倍政治
格差ただし経済に民主主義を
日本共産党の改革提案をシリーズで紹介します。今回は第1弾。大企業はボロもうけなのに、賃金は目減りするばかり。消費税8%で景気も悪化―安倍政権の3年間で暮らしも経済も深刻な状況です。日本共産党は「格差をただし、経済に民主主義を」と訴え。「三つの改革」を掲げて、破たんしつつある安倍暴走政治にピリオドを打ち、政治の転換をはかります。
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三つのチェンジで未来ひらく
アベノミクスでつくられたのは、途方もない貧富の格差です。
一部の大企業や大株主には巨額の利益をもたらしましたが、貧困の広がりと中間層の疲弊は深刻です。
格差をただし、貧困をなくすことは、すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条)を保障した憲法の要請であり、家計という経済の最大のエンジンを温めて経済の好循環を生み出すカギです。
チェンジ1 税金の集め方
消費税10%中止増税は大企業・富裕層に
第一の改革は、「負担能力に応じて」の原則に立って、税金の集め方を変えることです。
所得の低い人に重くのしかかる消費税は、最悪の景気破壊税であり、10%への増税はきっぱり中止するしかありません。
増税するなら、アベノミクスで大もうけした富裕層と大企業からです。4兆円の減税バラマキを中止し、株取引など富裕層への課税を強化すべきです。
チェンジ2 税金の使い方
社会保障を最優先に
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第二は、税金の使い方を変えることです。
社会保障の削減路線をやめて、年金削減の中止、医療費の負担軽減、介護保険の負担軽減、介護労働者の待遇改善をはかります。
保育所の待機児は、国の財政支援で緊急に30万人分の認可保育所を建設。保育士の賃金を引き上げます。
大学学費は10年で国公立も私学も半減。月額3万円の給付奨学金(現行受給者の半分・70万人)をつくります。
海外で戦争をするための大軍拡をやめて暮らしに回させます。
チェンジ3 働き方
最低賃金上げ、ブラック企業なくす
第三は、働き方を変えることです。
派遣法の抜本改正、「同一労働同一賃金」の法制化で、非正規から正社員への流れをつくります。中小企業への支援を強め、最低賃金を「今すぐ、どこでも時給1000円」に引き上げ、さらに1500円をめざします。
残業時間は「年360時間が上限」と法律に明記し、翌日の勤務まで11時間以上の休息時間を保障して、過労死まで生む異常な長時間過密労働をなくします。サービス残業をさせたら残業代を2倍にして払わせる“倍返し”でブラック企業を根絶します。
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アベノミクス三つの破たん
鳴り物入りで登場した「アベノミクス」は、三つの破たんがはっきりしました。
第一の破たん
トリクルダウンは妄想
第一は、大企業がもうかればやがて家計にも回ってくる―という「トリクルダウン」(滴り落ちる)政策が妄想だったことです。
大企業は、円安や法人税減税などの恩恵で過去最高益を更新し、内部留保=ため込み金は300兆円を突破。しかし、実質賃金は4年連続で減少しました。
非正規雇用が増える一方、正社員は安倍政権の3年間で23万人も減っています。
首相ブレーンの竹中平蔵元総務相も「滴り落ちてくるなんてない。ありえない」と開き直っています。
第二の破たん
消費税8% 家計どん底
第二の破たんは、消費税大増税路線です。
8%増税について日本共産党が「景気悪化への引き金を引く」と中止を求めたのに対し安倍首相は「影響は一時的」といって増税を強行しました。
ところが、増税から2年たっても家計消費は落ち込んだまま。首相も「予想以上に消費が落ち込み、予想以上に長引いている」と認めざるをえません。
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第三の破たん
異次元金融緩和で拍車
第三は、「異次元金融緩和」の破たんです。
急激な円安と株高で富裕層や大企業は大もうけしましたが、国民には生活必需品や資材の値上がりなどが押し付けられました。苦し紛れに異常な「マイナス金利」に踏み出したものの、逆に円高が進み、株価も下落。金融政策は打つ手なしのどん詰まりです。
何より、世論調査で国民の8割以上が「アベノミクスで景気が良くなったと思わない」と答えています。
ノーベル経済学者も「不平等を拡大」
■ジョセフ・スティグリッツ コロンビア大学教授 「量的緩和政策は不平等を拡大した」「法人税の引き下げは(経済回復に)効果的でない」「TPP(環太平洋連携協定)は新しい差別をもたらす」「生活水準を引き上げる施策にすべてをささげる道しかない」
■ポール・クーグルマン ニューヨーク市立大学教授 「消費税の引き上げが日本の景気に悪影響を及ぼした」「構造改革は需要喚起の本筋ではない。財政支援が必要だ」