2016年4月29日(金)
アジア信頼醸成会議で中国
北朝鮮問題は対話解決を
北京
【北京=小林拓也】中国やロシアなど約40の国・機関がアジアの安全保障などについて話し合う「アジア相互協力信頼醸成会議(CICA)」の外相会議が28日、北京で開かれ、中国の習近平国家主席が基調演説をおこないました。
習主席は北朝鮮情勢に関し、「朝鮮半島での戦乱発生は絶対に許さない」と強調。「各国が自制を保ち、相互に刺激したり、矛盾を激化させてはいけない」と述べ、「早期に対話による解決の道に戻す」ことを訴えました。
また習氏は、南シナ海問題に関し、「南シナ海の主権と権利を断固守る」と強調。「当事国による直接的な協議を通じて平和的に争いを解決する」という従来の立場を述べつつ、「ASEAN(東南アジア諸国連合)国家と共に、南シナ海を平和・友好・協力の海にしたい」と呼び掛けました。
習氏は「アジアの国家と人民は、対話と協力によってアジアの安全と発展環境を守る能力がある」と、米国などの域外国をけん制しました。
アジア相互協力信頼醸成会議(CICA) アジア地域の相互協力と信頼醸成を推進するため1992年にカザフスタンのナザルバエフ大統領が提唱した国際会議。中国、ロシア、韓国や中央アジア、東南アジアの26カ国が加盟。日米など12の国・機関がオブザーバー参加しています。