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2016年4月29日(金)

豪州設置の難民施設違憲

パプアニューギニア 最高裁判決

政府は閉鎖表明

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 オーストラリア政府がパプアニューギニア北部のマヌス島に設置し、難民認定希望者を収容している施設について、パプア政府は27日、閉鎖することを表明しました。国際的な批判を浴びてきた豪政府の強硬な難民政策に見直しを迫る動きです。 (釘丸晶)


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 パプア政府の閉鎖決定は、同国の最高裁判所が26日に同施設での拘束について憲法違反との判決を出したのを受けたもの。当事者や支援団体は、「とても素晴らしい」「難民申請者の大勝利だ」と歓迎しています。

 豪政府は労働党のラッド政権時代の2013年、密航船で同国へ渡ってきた難民認定希望者の同国定住を一切認めず、マヌス島の施設へ移送する政策を発表しました。パプア政府は豪からの多額の援助を受けています。

 マヌス島には現在800人以上の難民が収容。ナウル共和国にも豪は同様の施設を設置し、約500人が収容されています。これらの難民施設は、劣悪な環境や児童虐待などで批判を浴びてきました。

 パプア最高裁の26日の判決は、豪政府が難民認定希望者をパプアに移送し、拘束しているのは憲法が定める個人の自由の権利に反すると批判。パプア・豪両政府に違憲・違法の拘束を直ちに停止し、必要な防止措置を取るよう求めました。

 ミャンマー西部などに住む少数民族ロヒンギャの男性は、「多くの人が悲しみに覆われた3年から喜びにあふれる顔に変わった」と英紙ガーディアンに語りました。イラン難民の男性は、最高裁の判決を「信じられないくらい良いニュースだ」と歓迎しました。

 パプアのオニール首相は27日、「判決を尊重し、豪政府に現在の収容施設に代わる新たな措置を取るように直ちに求める」と語りました。

 総選挙を控えて二大政党とも難民認定希望者の海外移送を支持している豪は、パプア最高裁の判決後も強硬姿勢を取り続けています。

 豪のダットン移民・国境警備相は27日、「ボートでわが国に違法に入国しようとした者を受け入れるつもりはない。彼らがわが国に定住することは永遠にない」とし、本国送還あるいは第三国に移送する意向を示しました。

 人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ・オーストラリアのエレイン・ピアソン代表は「裁判所は、犯罪に関与していない人々を拘束することは間違っていると認めた」と判決を評価。「オーストラリアをはじめとして、彼らを難民と認め、収容する能力のある国が定住先を与えるべきだ」とのべました。


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