2016年4月22日(金)
児童扶養手当 付帯決議に野党案盛り込む
野党共同改正案は否決
貧困の根絶化に向けて日本共産党、民進、生活、社民の4野党(旧5野党)が共同提出していた、ひとり親家庭への児童扶養手当を拡充する改正案が21日の衆院本会議で採決され、自民、公明、おおさか維新の各党の反対多数で否決されました。しかし、改正案の基本点は、20日の厚生労働委員会で全会一致で可決された付帯決議に盛り込まれ、野党共闘が貧困問題でも政府を動かす力となっていることを示しました。
委員会での野党案採決に際し、塩崎恭久厚労相は理由もなく「反対だ」としか語れず、自公お維各党は反対討論にも立てず、野党案にこそ大義があることが浮き彫りとなりました。野党4党は政府案にも賛成しました。
政府提出の改正案は、世論に押されて支給額を見直し、第2子の加算額を月額5千円から最大1万円に、第3子以降を月額3千円から最大6千円にそれぞれ拡充するものです。これに対し、野党共同の改正案は、抜本拡充が必要だとして提出されました。(1)第2子以降の加算額を一律1万円に引き上げる(2)年3回の分割支給から毎月支給に変更(3)大学進学を支援するため支給年齢を現行18歳から20歳未満まで拡大する―という内容でした。
付帯決議は、支給額の見直しについて「ひとり親家庭の所得や生活実態などを踏まえ、生活の安定と自立の促進に寄与するという制度の趣旨に基づいて検討する」と明記。支払方法については「利便性の向上や家計の安定を図るため、支給回数を含めて改善措置を検討する」と強調しました。大学進学についても「(ひとり親家庭の)進学率が著しく低い」として児童扶養手当とともに教育費の負担軽減を図ることを強調しています。
養育費の取り決めを行うことを手当の支給要件とするなと野党が質問で要求してきた問題についても、「要件でないことについて地方公共団体に周知徹底する」と求めています。