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2016年4月21日(木)

インドネシア 65年の共産党員大虐殺を議論

政府初後援も謝罪拒否

人権活動家らボイコット

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 【ハノイ=松本眞志】インドネシアの首都ジャカルタで18、19の両日、1965年の「9・30事件」について議論するフォーラムが開かれました。今回、政府が初めて同事件をテーマとしたフォーラムを後援し代表も参加。ただ、政府代表のルフット調整相(政治・治安)が謝罪を拒否したため、人権団体活動家らはフォーラムをボイコットしました。ロイター通信などが伝えました。

 9・30事件は、弾圧を指揮した陸軍戦略予備司令官だったスハルト元大統領がスカルノ初代大統領から権力を奪い、約30年にわたる専制支配を始める機会となりました。

 1997年のスハルト政権崩壊後も、歴代政権は人権団体などの指摘する50万人という犠牲者数を否定して弾圧を正当化。「インドネシア共産党が事件の黒幕」とする立場を取ってきました。

 インドネシアでは共産党は今でも非合法。合法化を試みたワヒド元大統領(在任99〜2001年)は失脚しています。

 政府が初めて後援することで注目されたフォーラムでしたが、ルフット氏がフォーラムの冒頭で、政府は人権侵害問題には取り組むが事件の犠牲者に対する公的謝罪はおこなわないと宣言。弾圧犠牲者や行方不明者の調査を行っている人権団体活動家や歴史学者らはボイコットしました。

 人権活動家らは、政府の姿勢は犠牲者の支援にならないどころか、弾圧者を免罪するものだと批判。非政府組織(NGO)「行方不明者のための委員会」の活動家ハリス・アズハルさんは、「このフォーラムは、政府がやるべき1965年の人権侵害問題調査のための法的枠組みをつくる作業からは程遠い」と批判しました。

 地元紙ジャカルタ・ポストは、政府がこのテーマに取り組む姿勢を示したことを評価。ジョコ大統領がこの問題を解決してくれると期待を述べる弾圧犠牲者もいます。


 9・30事件 インドネシアで1965年9月30日に発生した軍内部「左派」の将校によるクーデター未遂事件。当時のスハルト少将(68〜98年、大統領)を中心とする陸軍は、インドネシア共産党が事件に関与したとして弾圧。右派系団体を利用してアイジット書記長など指導部をはじめ推計で50万人以上の党員と家族、支持者らを虐殺。党員300万人の同党は壊滅しました。


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