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2016年4月12日(火)

韓国総選挙あす投票

景気回復、社会福祉が争点に

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(写真)ソウル中心部の清渓川に掲げられた各候補者のポスター=10日(栗原千鶴撮影)

 【ソウル=栗原千鶴】韓国の国会総選挙(定数300)が13日に投開票されます。2月に青年失業率が過去最高の12・5%を記録したほか、昨年末に家計債務総額が統計を取り始めた2002年以来最悪となるなか、景気回復や社会福祉が争点。任期が2年を切った朴槿恵(パク・クネ)政権への審判となる選挙でもあります。

 投票日前、最後の日曜日となった10日、各地の街頭演説では大勢の市民が候補者の話に耳を傾けました。労働者の半数が非正規雇用という現実を反映し、各党ともに雇用政策に重点を置きました。

 与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表は「内需活性化で雇用を創出する」と強調。最大野党「共に民主党」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長も「99%を占める中小企業への支援で雇用を生み出す」と打ち出しました。

 ソウル市内で演説を聞いていたパク・キョンエさん(61)は、大学を卒業した2人の娘が就職できていません。「アルバイトや非正規の仕事しかない。庶民と富裕層の格差もひどい。庶民を主人公に考えてくれる政治家を選びたい」と話しました。

 韓国北部の高陽市に住むイ・ヨンオクさん(52)は、期日前投票で左派政党「正義党」に投票しました。3年前の大統領選挙では朴大統領に投票。しかし、ここ数年で家賃や光熱費などが値上がりし、「家計のやりくりが大変になった」と語ります。大学進学を目指す息子がいますが、「朴大統領は大学の入学金を半額にすると約束したのに、守られていない。裏切られた気持ち」と失望感を語りました。

 8日発表の世論調査では、過去2回の総選挙で連勝したセヌリ党が支持率39%でリード。「共に民主党」が21%、「共に民主党」を離党した議員らが結成した新党「国民の党」が14%で3位。

 ただ、セヌリ党は候補者の公認をめぐる内紛で支持率が下落。当初の獲得目標だった180議席を150議席に下方修正しました。

 一方、支持率を伸ばしているのが第3党の「国民の党」。既成政党への批判で人気を得ている安哲秀(アン・チョルス)共同代表が街頭に姿を現すと、次々と市民が集まります。安氏は「古いものを、そのままにしておくのか」と訴えました。

 今回の選挙で、国民の党は、「共に民主党」が呼び掛けた候補の一本化を拒否。各党それぞれ、来年12月の大統領選挙に向けた支持基盤固めもにらんだ選挙戦になっています。


 韓国の総選挙 小選挙区比例代表並立制で、定数300議席のうち比例が47、小選挙区が253。一院制で任期4年。現有議席はセヌリ党143、共に民主党102、国民の党が20、正義党5、諸派・無所属30。有権者は約4205万人。


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