2016年4月7日(木)
非常勤講師10%賃上げ
早稲田大と労組が合意
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首都圏大学非常勤講師組合(東京公務公共一般労働組合加盟)と同組合早稲田ユニオンは6日、早稲田大学との交渉で、非常勤講師給を10%賃上げすることで合意したと発表しました。早大の非常勤講師3610人に適用されます。日本人講師より賃金単価が高い外国人講師との格差是正をめざすことが合意され、今後も賃上げがすすむ見込みです。
多くの大学非常勤講師は、週の講義を1コマあたり年間30万〜40万円で契約しているため、複数大学で講義をかけ持ちして生計を立てています。
早大での賃上げは、労働争議が起きた2013年の賃金を基準に、18年までに実施されます。50歳以上の場合、講義1コマあたり月額3万100円(年間36万1200円)から、3万3110円になります。さらに1人あたり一律月額6000円だった出校手当が、1コマ3000円ずつ繰り入れられて3万6110円(同43万3320円)になります。
日本人講師の賃金を外国人講師の水準まで引き上げた場合、1コマの月額が上限4万2800円になります。
早稲田ユニオンは現在、組合員160人。13年に起きた非常勤講師5年上限雇い止め問題について、早大側が撤回することで15年11月に和解。今回の賃上げ合意で、組合側は労働基準法違反の告訴・告発や裁判などをすべて取り下げます。
厚生労働省で記者会見した早稲田ユニオンの大野英士代表は「大企業でも賃上げが困難ななか画期的成果だ。非正規雇用全体の待遇改善の励ましになりたい」と強調しました。