2016年3月31日(木)
ミャンマー文民政権発足
「軍人支配」半世紀に幕
NLD主導 ティン・チョー大統領就任
【ネピドー=松本眞志】ミャンマーの首都ネピドーで30日、ティン・チョー新大統領の就任式が行われました。ティン・チョー氏は、大統領就任の宣誓を行った後、就任演説をし、「新政権は国民民主連盟(NLD)の公約に基づいてつくられた」とのべ、新政権が、昨年11月の総選挙で国民の圧倒的支持のもとで勝利したNLD主導の政権であることを明確に宣言しました。
ティン・チョー氏は同時に、新政権が現憲法の規定に基づき、「(旧政権や軍との)国民和解、(少数民族との)和平プロセス、民主的連邦政府の実現をすすめる」と表明。「国民生活水準改善のために努力する」と誓約しました。
「軍人支配」が続いてきたミャンマーで、国軍の後ろ盾のない文民主体の政権が発足したのは半世紀ぶり。
テイン・セイン前大統領は31日に大統領職のすべての職務を終え、4月1日から実質的なティン・チョー政権のスタートとなります。
就任式には、外務、大統領府、エネルギー、教育の4閣僚を兼務するアウン・サン・スー・チー前NLD党首をはじめ、新閣僚らも姿を見せて新政権下での任務遂行を誓約しました。
スー・チー氏は閣僚となったことによって、憲法の規定により公式に党務から離れ、議員の資格も失います。新大統領との関係も含め、今後、どのように新政権や党を主導していくのか注目されます。
就任式に参加したNLD所属でシャン族出身のサイ・トウン・アウン議員は、少数民族が公平に扱われる「真の連邦政府を実現したいという新大統領の発言をうれしく思う」と期待を表明。マンダレーから来たNLDのミン・テイン議員は「新政権は、初めて国民によって選ばれたといえる政府だ。国民のために、個人的には特に国民の健康のために働きたい」と語りました。