2016年3月23日(水)
米・キューバ 対話継続
首脳会談 国交正常化めざす
【ワシントン=島田峰隆】現職の米大統領として88年ぶりにキューバを訪問しているオバマ大統領は21日、ハバナ市内で同国のラウル・カストロ国家評議会議長と会談しました。両首脳は国交正常化へ対話を続けることで一致。カストロ氏は、米政府が半世紀以上続けている経済封鎖の全面解除を改めて求めました。首脳会談は国交正常化交渉の開始以来、3回目。
カストロ氏は会談後の共同会見で、オバマ氏が経済封鎖の解除に賛成し部分的な緩和措置を取ってきたことを歓迎。「封鎖はキューバの経済発展と国民生活の最大の障害だ。国交正常化には解除が絶対不可欠だ」と指摘しました。キューバにあるグアンタナモ米軍基地の返還も求めました。
同氏は「意見の違いがあっても両国は共存、協力できる。オバマ氏に対話を続ける意図を伝えた」と発言。一方で米国がキューバの人権状況を問題視していることに対して、「人権の議論を政治対立に使うべきでない」と指摘しました。
オバマ氏は「建設的な対話を歓迎する」と強調。経済封鎖について「50年も続けたが米国の利益にもキューバ国民の利益にもならなかった」と失敗を認め、米議会に解除を促しました。
一方で同氏は「関係強化の障害の一つは人権と民主主義についての違いだ」とし、これらの問題を提起し続ける姿勢を示しました。