2016年3月18日(金)
イスラエル 大規模接収
仏独米が非難 「入植は国際法違反」
ヨルダン川西岸
【カイロ=小玉純一】イスラエルの軍ラジオは15日、イスラエル当局が占領地ヨルダン川西岸、死海とエリコ近郊の土地234ヘクタールを接収したと伝えました。仏独米は、イスラエルによるパレスチナの土地の大規模接収だとして批判しています。
フランス外務省のロマイン・ナダル報道官は16日、「入植は国際法違反であり、2国家解決を支持するイスラエルの約束と矛盾する」と批判しました。
ドイツ外務省は16日の声明で、イスラエルとパレスチナの緊張緩和の措置が求められているときに「悪い合図だ」と批判しました。声明は「イスラエルとパレスチナのすべての人が平和と安全に生きる権利を持っている。2国家解決への政治的態度だけがこれを保障する」と述べています。
米国務省のカービー報道官は15日、「2国家解決の見通しを根本的に台無しにする」「入植の拡大は、イスラエルの長期的意思について疑問を抱かせる。米国は強く反対する」と語りました。
イスラエルの平和団体ピースナウによれば、報道された234ヘクタールは、イスラエルが近年接収した西岸の土地の規模としては最大です。しかも、計画した1月当時の154ヘクタールよりもいっそう広くなっています。
パレスチナの交渉責任者サエブ・エレカット氏は15日、イスラエルの土地接収を止める国際社会の圧力を求めました。
パレスチナは西岸とガザを領土とする国家樹立を追求しています。パレスチナはイスラエルの入植拡大が国の生存可能性を否定することになると主張しています。
双方の和平協議は2014年に破たんしたままです。パレスチナはイスラエルの入植活動がその要因の一つと指摘しています。
フランスは、双方の直接協議を促す国際会議の開催をめざしています。