2016年3月13日(日)
中国大気汚染
違反の2万社を閉鎖
環境相発表 操業停止は3万社超
【北京=小林拓也】北京で開催中の中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で環境問題が注目を集める中、陳吉寧環境保護相は11日の記者会見で、昨年1月に施行した「史上最も厳しい」とされる新環境保護法に基づき、全国の環境保護部門による企業の処分が9万7千件に上り、罰金総額は42億5千元(約745億円)に達したと明らかにしました。
昨年は全国で177万社の企業を検査。環境保護に違反した19万1千社を取り締まり、2万社を閉鎖、3万4千社を操業停止処分にしたといいます。
陳氏は、昨年全国74都市の微小粒子状物質PM2・5の平均濃度が、前年比14・15%減の1立方メートル当たり55マイクログラムに改善し、政府の対策が効果を上げているとアピールする一方、「一部の地方政府に、発展を重視し、環境保護を軽視する傾向があり、改革が必要だ」と批判。「環境保護と発展は対立するものではない。過去の粗暴な発展方式を見直し、質を高めるべきだ」と強調しました。
北京では冬季の大気汚染が深刻で、昨年末は最高レベルの「赤色警報」が2度発令され、通行車両の半減や学校の休校などの措置が取られました。2016〜20年の経済社会5カ年計画でも環境問題は重視され、「都市の空気のいい日の割合を80%以上にする」目標が掲げられています。