2016年3月13日(日)
殺人・性的暴力相次ぐ
国連人権高等弁務官が報告
南スーダン
国連人権高等弁務官は11日、内戦が続く南スーダンで2015年10月から16年1月に行った調査結果に基づく報告書を発表し、民間人を意図的に狙った殺害、女性を狙った多くの性的暴力、牛や家屋の略奪などの事実を公表しました。
調査チームは、同国政府の協力が得られないもとで、紛争の激しいユニティ州と上ナイル州を中心に聞き取り調査などを実施。戦争犯罪や人道に対する罪に当たる多数の事実を明らかにしました。
ユニティ州リアーでは昨年10月、政府軍によって60人の牛飼いがコンテナの中に閉じ込められ窒息死。政府軍と反政府派双方がヌエル、ディンカ、シルクなど民族の違いに基づいて民間人を攻撃しているとしています。
ユニティ州では、15年4〜9月に1500件以上のレイプが発生したと報告されていますが、同州ではさらに性的暴力とレイプが深刻化しているとの証言が得られたとしています。
上ナイル州マラカルの国連南スーダン派遣団(UNMISS)の設置した文民保護キャンプ周辺では、食料や薪を探しに出た女性を狙った政府軍によるレイプや殺害が頻発。誘拐されて、兵舎で兵士の性的暴力にさらされる事例も発生しているとしています。