2016年3月7日(月)
国家安全・海洋強国重視
中国 5カ年計画に盛り込む
【北京=小林拓也】5日に開幕した中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提案された2016〜20年の中期政策目標「第13次5カ年計画」には、国家安全や海洋強国などの目標も盛り込まれました。
計画は「国家・政権・主権の安全保障」として、「敵対勢力が(政権)転覆破壊活動や暴力テロ、民族分裂活動、極端な宗教活動を浸透させるのを防ぎ、厳しくたたく」と強調。「テロリストらがインターネット空間を利用して破壊活動を浸透させるのを防ぐ」として、ネットでの世論コントロールやイデオロギー分野の活動強化を打ち出しました。
胡錦濤(こきんとう)前政権時代の11年に策定された前5カ年計画では、こうした項目はありませんでした。13年に国家安全委員会を新設し、国家安全の分野に力を入れている習近平政権の姿勢の表れといえます。
さらに計画は「海洋強国の建設」を掲げ、「領土主権と海洋権益を有効に守る」と明記。「国家海洋権益を守るため各種手段を準備し、海上での権利侵犯行為に適切に対処する」と表明しました。
国防分野では「各分野での軍事闘争の準備を強化する」と強調。「愛国主義を核心とする全国民の国防教育を強め、国防観念を強める」と盛り込みました。また「ネット、深海、極地、宇宙などの分野での国際的ルール制定に積極的に参加する」としています。