2016年3月4日(金)
EU 難民対応860億円
ギリシャなどを緊急支援
【パリ=島崎桂】欧州連合(EU)のスティリアニデス欧州委員(人道支援・危機管理担当)は2日、難民対応に苦しむギリシャなどに向け、総額7億ユーロ(約860億円)の緊急財政支援を行うと表明しました。
EUは貧困国・地域などを対象に財政支援を行っていますが、加盟国を対象とした支援は異例です。
スティリアニデス氏は今回の支援について、「最も支援が必要な国々を助けるため」と説明。主な対象は「最も深刻な人道的危機が起きているギリシャだ」と述べました。
支援額は、今年中に3億ユーロ、その後2年間は年2億ユーロになるとしています。
バルカン諸国による国境管理の強化を受け、ギリシャには現在、中東から西欧を目指す難民ら2万人以上が滞留。その数は月内にも最大7万人に達するとみられています。とりわけ、マケドニアとの国境地帯に位置する北部イドメニ周辺では、約1万人が足止めされています。
ギリシャ政府は1日、難民10万人に対応するため4億8000万ユーロの財政支援をEUに求めていました。