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2016年3月1日(火)

中国「一帯一路」どうみる

東京 研究者らシンポ

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 中国の習近平国家主席が提唱する「一帯一路」構想やアジアインフラ投資銀行(AIIB)をどう見るか。東京都内で2月22日開かれたシンポジウム「現代のシルクロード構想と中国の発展戦略」で研究者らが議論を交わしました。

 基調講演で高原明生東京大学教授は、海外でチャイナ・マネーへの期待がある一方、中国の影響力拡大などへの懸念があると分析します。また中国国内では需要拡大や予算増への期待の半面、採算性やロシアとのあつれきを懸念していると指摘。「(一帯一路の)概念そのものは『衰退』の可能性があり、採算性を重視する現実的なところに落ち着くのではないか」との見方を示しました。

 パネルディスカッションで発言した上智大学の渡辺紫乃准教授は、「一帯一路」構想について従来政策の延長と海外需要喚起のための開発思想の転換という両側面を示し、「国内の改革・開放から中国と周辺諸国の『運命共同体』全体の発展という『ナラティブ』(物語)の提示だ」と指摘。「中国が日本をどう位置づけようとしているのか、注目する必要がある」と語りました。

 中国研究家の津上俊哉代表は50カ国以上が参加するAIIBについて、「中国にとって『想定外』でうれしい誤算であると同時に、手前勝手な運営ができなくなった」と指摘しました。

 法政大学の李瑞雪教授は、中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」について報告。路線乱立や往復貨物量のアンバランス、補助金依存体質などの問題点を指摘するとともに、海運・航空便に代わる選択肢となり、国際的なネット通販の急成長が追い風になるなど、その発展の可能性について語りました。(釘丸晶)


「一帯一路」構想

 中国の習近平国家主席が提唱する経済圏構想。中国からヨーロッパまでを陸と海でつなぎ、鉄道、道路、送電網、港湾などのインフラ整備を中心に地域経済統合を促進します。新シルクロード経済圏とも呼ばれます。


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