2016年2月19日(金)
米 ミサイルに深刻懸念
南シナ海・西沙 中国と「真剣協議」へ
【ワシントン=島田峰隆】ケリー米国務長官は17日、国務省で記者会見し、中国が南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島のウッディー(中国名・永興)島に地対空ミサイルを配備したことについて、中国による「軍事拠点化」だとして「深刻な懸念」を表明しました。ケリー氏は、この問題をめぐって数日中に中国側と「非常に真剣な協議」を行うと述べました。
ミサイル配備は16日、米FOXニュースが報道。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は17日、米国防総省の当局者が中国が同島にミサイルを配備した証拠を確認したと伝えました。
今回のミサイル配備が、演習のための一時配備なのか、恒久配備なのかは明らかでありません。
ケリー氏は、昨年9月の米中首脳会談後の共同会見で中国の習近平国家主席が「中国は南シナ海を軍事化しない」と述べていたと指摘し、「しかし実際には軍事拠点化が進んでいることを示すあらゆる証拠がある」と批判しました。
ケリー氏は、南シナ海の領有権争いをめぐって「米国は中国側と協議してきたが、数日中にさらに非常に真剣な協議を行う」と強調。「中国が一方的な行動、武力、軍事化を通じてではなく、外交を通じて、また関係する他の国々と協議することによって問題を解決することが重要だ」と述べました。
15、16の両日に米カリフォルニア州で開かれた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による首脳会議が採択した共同声明は、南シナ海の航行と飛行の自由に加えて、「非軍事化とさまざまな活動における自制」の重要性も明記。領有権争いに関しては、「紛争の平和的解決」に取り組む方針を確認しました。