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2016年2月9日(火)

比大統領選始まる

和平、TPPなど課題

上下両院・地方選同時に

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 【マニラ=松本眞志】フィリピンでは9日から大統領選挙の選挙キャンペーンが始まります。投票日は5月9日、有権者5千万人が票を投じます。フィリピンの大統領の任期は6年で、今回は3年ごとの上下両院の国政選挙、市町村レベルの選挙と重なります。大統領選挙は正副大統領の改選となります。

 大統領候補は、ベニグノ・アキノ大統領の後継者マヌエル・ロハス前内務自治長官、ジェジョマル・ビナイ副大統領、グレース・ポー上院議員、ロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長、ミリアム・サンチャゴ上院議員の5人。

 支持率がもっとも高いビナイ氏は、昨年秋ころ、マカティ市長時代の市庁舎汚職疑惑のために支持率が一時急落し、ポー氏が優勢となりました。選挙管理委員会は昨年12月、米国暮らしが長くフィリピン在住が規定より短いとしてポー氏の候補資格をはく奪し、昨年末に再びビナイ氏が支持率トップにたちました。ポー氏は裁判所に異議を申し立て、最終判断を待っています。サンチャゴ氏は、過去に大統領選挙に出馬しましたが、支持率は低迷し、健康上の問題も抱えているとされます。

 副大統領候補の中で注目されるのはボンボン・マルコス上院議員。かつてフィリピンで長期独裁政治をおこなったマルコス元大統領の息子です。アキノ政権下では、ミンダナオ島のイスラム教徒住民の自治権を定めたバンサモロ基本法の“修正”を指揮し、現地住民の反発を買いました。

 アキノ政権の6年間を受け継ぎ、課題に各候補がどのような立場を示すのかも注目されます。

 同政権の6年について、地元紙マニラ・ブレティンは「強い経済成長と反汚職キャンペーンで世界的評価を受けた」と報じています。一方、同政権は、南シナ海問題をめぐって中国と対立し、米国との軍事協力に傾斜し、米比防衛協力強化協定(EDCA)を締結、最高裁は合憲と判断しました。長期にわたって紛争が続いたミンダナオでは、モロ・イスラム解放戦線(MILF)と和平合意が実現しましたが、高度の自治を定めたバンサモロ法の修正をめぐって対立が再燃しています。テロ問題やTPP問題もこの国にとって重要な課題となります。

 国政と地方の選挙では、上院議員の改選議議席が12、下院議員の293、81州の知事・副知事、144市の市長と副市長、1490の町長・副町長、1634市町の議会などで1万8千以上のポストが争われます。


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