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2016年2月8日(月)

北朝鮮ミサイル発射

核兵器開発と不可分

自らの合意にも背く

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 北朝鮮は7日の事実上の弾道ミサイルの発射について、「地球観測衛星の打ち上げ」であり「平和的な宇宙利用権」の行使だと主張しています。しかし北朝鮮の「権利」に制限がかけられ、「衛星打ち上げ」が禁止されたのは、北朝鮮が核実験という「平和」とは正反対の暴挙を繰り返したからにほかなりません。

 2009年6月、前月に北朝鮮が強行した2度目の核実験を受け、国連安全保障理事会は「いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しないことを要求する」との決議を採択しました。これは軍事用の弾道ミサイルだけでなく、その技術を使った平和利用の「衛星打ち上げ」も含めた禁止です。

 06年10月の最初の核実験後の安保理決議では、単に「弾道ミサイル」発射の禁止でした。北朝鮮が世界の厳しい批判にもかかわらず核兵器の開発を継続したため、2度目の核実験後は、ミサイルと共通の技術を使う人工衛星用のロケットの打ち上げも禁じたのです。

 核兵器を使おうとすれば、核弾頭とともにその運搬手段である長距離ミサイルや爆撃機がそろうことが必要です。北朝鮮はこの間、核実験と「衛星打ち上げ」をほぼ同時期に実施してきました。今回の打ち上げに関する7日の政府発表では、同国の科学技術、経済とともに「国防力を発展させていくうえで画期的な事変」と誇りました。まさに「北朝鮮の行動は、核兵器の開発と不可分に結びついた軍事行動」(志位委員長の談話)であることを示しています。

 北朝鮮は、これまでの安保理決議に対して「自主権を侵害するもの」と反発していますが、同国のミサイル発射は、自らが合意した日朝平壌宣言(02年)、日中韓米ロとの6カ国協議の共同声明(05年)にも背くものです。

 平壌宣言では、「核問題およびミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図る」としたうえで、北朝鮮が「ミサイル発射のモラトリアム(凍結)」をすると明記。6カ国協議の共同声明は、この平壌宣言への支持を表明しました。北朝鮮はこうした自らも参加した合意を守り、安保理決議に従うべきです。

 北朝鮮は、核兵器の開発とともに、「衛星打ち上げ」=弾道ミサイルの発射を今後も続けると表明しています。国際社会にとって、6カ国協議の再開で問題を解決することをめざしながら、「北朝鮮に核兵器・ミサイルを放棄させるための実効ある措置をとることがいよいよ急務」(志位委員長の談話)です。(田川実)


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