2016年1月28日(木)
入植、国際社会を侮辱
国連総長 イスラエルに中止要求
安保理へ報告
【ワシントン=島田峰隆】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は26日、「イスラエルが続けている入植活動はパレスチナ人民と国際社会への侮辱だ」と語り、イスラエルに対し占領地ヨルダン川西岸での違法な入植地建設や土地接収をやめるよう求めました。安保理への報告で述べました。
イスラエルは21日、ヨルダン川西岸の土地154ヘクタールを接収し「国有地」にすると発表しました。潘氏は「こうした挑発行動は緊張を高め、政治的解決のいかなる見通しも弱める。2国家解決に向けたイスラエルの誓約に疑問を抱かせる」と指摘。「和平を前進させるには、イスラエルが入植活動をやめることが必要だ」と強調しました。
また「ヨルダン川西岸の状況はパレスチナ国家の実現可能性とパレスチナ人が尊厳を持って生きる力をどんどんと奪っている」と指摘。政治的な行き詰まりの打開には「イスラエル側の政策変更が重要だ」としました。
潘氏はパレスチナ側には、民主主義とパレスチナ解放機構(PLO)の原則に基づいて、内部対立に対処するよう呼び掛けました。
国際社会にはパレスチナ人の生活改善のための資金拠出を求めました。パレスチナ人の自決権を支持するとともに「挑発行為はあってはならないこと、またイスラエルの生存権を疑問視することも許されないことを明確にしよう」と訴えました。