2016年1月26日(火)
モロッコ 数千人デモ
教員削減計画に反対
参加者「取り締まり恐れない」
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【カイロ=小玉純一】モロッコで24日、教師研修生とその家族数千人が、政府の教員削減計画に抗議して首都ラバトの街頭に出ました。ロイター通信が伝えました。
同国では、政府がデモを禁じており、大規模デモは異例。数千人のデモ参加者は、「取り締まりを恐れない」と唱和し、横断幕を掲げながら、数百人の機動隊の前を行進しました。
政府は財政再建策の一環として公的部門の雇用を減らしています。これに対し、ここ数カ月、抗議行動が続いており、教師研修生の抗議もその一つです。
警察は、教師研修生のデモに対して、これまで無届けデモだとして暴力的に散会させてきました。参加者数十人が負傷する事態も発生し、政府は警察の暴力について調査を指示しました。
研修生たちは憲法で抗議の権利は保障されていると主張。削減計画の撤回までたたかう意向です。
公立学校で教師となるための研修を受ける資格試験では、1万人が合格しました。しかし政府は昨年10月、教員採用には、再度採用試験を受けて合格することが必要だと発表。再試験での合格者は7000人に絞り込まれ、いっそうの狭き門となる見込みです。
娘が資格試験に合格したハッサン・デヒフさんは、地方都市からデモに参加。「3人の娘のうち、やっと1人は職に就けたとおもったが、そうではなかったようだ」とロイター通信に語っています。「娘が殴られるなら、親の私も殴られるつもりだ」と研修生たちの要求を支持する思いを語りました。
モロッコでは、2011年にアラブ各国で広がった民衆蜂起の際、同様の民主主義を求めるデモが広がりましたが、政府は、補助金などの国民向け支出増で乗り切りました。しかし、公務員の削減や補助金カットなどが進められる中で、再びデモや座り込み、ストライキなどが頻発しています。