2016年1月15日(金)
スペイン 首相選出で協議難航
新国会開幕 政権不在長期化も
【パリ=島崎桂】スペインで13日、先月の総選挙結果を受けた新国会が開幕しました。下院350議席の過半数を有する政党がなく、主要4党による連立協議は難航。新政権の枠組みや首相選出のめどは立っておらず、今後数カ月にわたり政権不在が続く可能性もあります。
首相選出には、下院の過半数の賛成が必要です。現在の議会構成では、ラホイ首相の与党・国民党(議席123)と第2党の社会労働党(PSOE、同90)が大連立を組む以外、主要4党の少なくとも3党が協力することが必要です。
新国会初日の13日、下院の議長選出が行われ、PSOEのパチ・ロペス氏が就任しました。同氏の議長就任は、国民党とPSOE、汚職一掃を掲げて第4党となった新党シウダダノス(同40)の3党が12日に合意していました。
国民党は、議長人事での協力の見返りとして、PSOEとの大連立を模索しています。国民党のマルティネスマイジョ副党首は13日、「(首相選出の)信任投票は1月末にも行われるだろう」と述べ、大連立への自信をのぞかせました。
ただ、PSOEのサンチェス書記長は同日、大連立は「国民の多数派にとって受け入れられない」として、国民党との連立を改めて拒否しました。
一方、「反緊縮」を掲げて第3党に躍進した新党ポデモス(同42)は、左派政権の樹立に向けてPSOEとの連立交渉を続けていますが、合意には至っていません。独立機運が高まっている東部カタルーニャ自治州を始め、地域ごとに異なる要求を掲げるなど、ポデモス内に不一致があることに対し、PSOEが難色を示しているものとみられます。
各党は今後、首相任命権を持つ国王フェリペ6世に対し、首相候補を届け出ます。下院は、国王が指名した首相候補の信任投票を行いますが、国王による最初の指名から2カ月たっても首相選出に至らない場合、憲法の規定により議会は解散、再選挙となります。