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2016年1月12日(火)

中学生職場体験 自衛隊じわり

佐賀20市町半数で実施

操縦席座り格闘術も

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 1990年代前半から広がってきた中学生の職場体験に今、自衛隊が積極的に売り込みをしています。佐賀県の実情をみてみました。(佐賀県・古賀誠)


写真

(写真)中学生に配布されるパンフレットなど=9日、佐賀県吉野ヶ里町

(拡大図はこちら)

 職場体験の事業所は近年、営業不振などにより受け入れる余裕が少なくなっているのが現状です。その中で体験人数枠が多いのが自衛隊です。県外の海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)まで行ったり、体験に際して誓約書を書かせる中学校までありました。

募集広告配布

 佐賀県内の自治体では2015年度、日本共産党議員らの調べで県内10市10町中、10市町の中学校、約160人の中学生が自衛隊の職場体験に行っていることが分かりました。

 体験に行った中学生は自衛隊ヘリの操縦席に座ったり、格闘術を体験したりします。配布された資料の中にはパンフレットの他に、自衛隊内の雑誌もあり、自衛隊募集の広告や右寄りのオピニオン記事、卑猥(ひわい)な広告などもついていました。

 職場体験をまとめたリポート集を見た日本共産党の井上祐輔県議は「それぞれに職場での感想をリポートにまとめているのをみると、それぞれの職場で感じたことや感想は違うのに対し、自衛隊に行っている中学生のリポート内容はよく似ている」と述べました。

 職場体験は地域の先生たちが「この職場で子どもたちにこんなことを学んでほしい」という思いで体験場所を確保してきた歴史があります。

 「子どもたちを地域と結びつけ、地域の人たちとの交流を深め、力を借りて子どもたちの人格の形成につなげていく、という一つの理念があります」と県内の中学校教員は語ります。

させたくない

 この中学校教員は胸の内を語ります。

 「イラクで戦争がはじまったとき、私は戦争について考えてほしいと、授業のなかで『賞恤金(しょうじゅつきん)』と黒板に書いて、生徒たちに『戦争で死んだらいくら、腕一本失ったらいくら出るという意味だよ』と説明しました。教えながら鳥肌が立ちました。教え子が引き金を引くことは想像できない。こんな職場体験はさせたくない」


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