「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年1月9日(土)

イラン、サウジ応酬 関係悪化の一途

「大使館空爆」と主張 「偽りだ」全面否定

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 イラン外務省は7日、イエメンの首都サヌアにあるイラン大使館にたいしサウジアラビアが意図的に空爆を行い、大使館が損傷し、職員が負傷したと非難しました。サウジはこれを否定しましたが、イランはサウジ産の製品の輸入を全面的に禁止すると発表するなど、両国関係は悪化の一途をたどっています。  (小玉純一)


 イランのアンサリ報道官は7日、「大使館の損傷と職員の負傷についてサウジに責任がある」と非難。アブドラヒアン外務次官は「サウジがサヌアを空爆し、わが国の大使館のそばにロケットが着弾。不運にも警備員1人が重傷を負った」と発表。「この攻撃の詳細を国連安全保障理事会に通知する」と述べました。

 これに対し、サウジ主導の連合軍は同日、「大使館やその周辺で作戦を実施していない」「大使館の建物は無事で損傷もない」と主張し、イランの訴えは「偽りだ」と全面的に否定しました。

 サヌアの住民は海外メディアに、大使館から700メートル離れた地点に空爆があり、大使館の敷地に石や破片が落ちたが、大使館の建物に損傷はないと証言しています。

 サヌアは、シーア派系武装勢力フーシ派が掌握しています。このフーシ派をイランが軍事的に支援していると、サウジは主張してきました。イランとフーシ派はこれを否定しています。

 フーシ派はイエメンのサレハ前大統領派と同盟関係にあり、ハディ現大統領派と対立しています。サウジはハディ大統領派を支援し、3月からフーシ派を空爆してきました。以来、少なくとも2800人が死亡しています。

 サウジが2日、反体制派のシーア派聖職者を含む47人の死刑を執行したことをきっかけに、シーア派が多数のイランの首都テヘランで、これに怒った人々がサウジ大使館を襲撃。サウジは翌日、これを理由にイランとの外交断絶を発表しました。その後、バーレーン、スーダン、ジブチ、ソマリアがイランと断交し、アラブ首長国連邦がイランとの外交関係を格下げ、クウェート、カタール、コモロが自国大使を召還しています。

 イランは7日、閣議で、サウジ産製品の輸入を全面禁止としました。サウジは4日にイランへの航空便と交易を中止しています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって