2016年1月8日(金)
安倍首相 偽り・居直り答弁
戦争法説明せず「説明努力」
臨時国会召集拒み言い逃れ
国民所得低迷の実態を無視
第190通常国会が冒頭から異様な状況となっています。6、7両日に衆参両院本会議で行われた代表質問で、日本共産党の穀田恵二国対委員長と井上哲士参院国対委員長は、戦争法や経済・暮らしの問題で国民の生の声をぶつけて政治の転換を迫りました。しかし安倍晋三首相は、黒を白といいくるめるような異常な答弁を繰り返したのです。
立憲主義破壊
通常国会では、新年早々の4日の開会日から4000人近い国民が国会前に集結し、安倍政権が昨年9月に強行成立させた戦争法を廃止させる熱い思いを爆発させました。
しかし代表質問に対する答弁で安倍首相は、戦争法についてこの声にまったく聞く耳を持たず、「世界の平和と繁栄に貢献する法律だ」「200時間を超える充実した審議の結果成立した」「廃止はまったく考えていない」などと言い張りました。
さらには、「法案成立後も、さまざまな機会をとらえて国民への説明につとめている」と、ほとんど虚偽の答弁まで行いました。
戦争法の具体化の危険など山積する問題を審議するため、憲法53条にもとづき野党がそろって要求した臨時国会召集を拒否したのはいったい誰か。代表質問でこの点を追及された安倍首相は「衆参合わせて60時間を超える閉会中審査を行った」「新年早々、通常国会の召集を図った」などと言い逃れに終始しました。しかし、閉会中審査や通常国会が臨時国会の代わりたりえるわけはなく、明白な憲法違反です。
さらに首相は、歴代政権の憲法解釈を百八十度転換し集団的自衛権行使を可能にする立憲主義破壊を進めながら、「立憲主義にのっとって政治を行うことは当然だ」とまで言ってのけました。
暮らし・経済
首相は暮らしの問題では、とにかくアベノミクスの成功、「バラ色」の現実と将来をこれでもかと振りまきました。
いわく、「名目GDP(国内総生産)は28兆円ふえ、企業の収益は過去最高になりました」「就業者は110万人以上増加し、賃上げ率は2年連続で大きく伸びるなど経済の好循環を生み出しました」「さきの通常国会で成立した労働者派遣法改正法においても、正社員を希望する方にその道が開けるようにした」などなど。
穀田氏や井上氏が質問で詳しく指摘したように、3年間のアベノミクスは、大企業の経常利益を6割も増やし、内部留保を300兆円超としました。しかし、国民の所得や消費は実質で3年前を下回ったまま。非正規雇用は初めて4割を超えるなど、国民生活は散々な状況です。
日頃、「世界一企業が活躍しやすい国をめざす」と強調する安倍首相には、国民生活の実態などまったく目に入らないようです。