2016年1月7日(木)
米大統領 銃規制策を発表
新法制定を議会に呼びかけ
【ワシントン=洞口昇幸】米国内で銃乱射事件が多発する問題でオバマ大統領は5日、ホワイトハウスで国民に向けて演説し、危険人物に銃が渡らないよう銃の購入希望者の身元調査を拡充するなど、大統領の権限で実施する銃の規制強化策を発表しました。米議会に対して引き続き、銃規制強化の新法制定を呼びかけました。
米政府の発表によると、抜け道となっている銃の見本市やインターネット販売でも、販売店と同様に売る側の販売免許の取得や、身元調査の実施を義務付けるとしています。銃規制の効果的な執行・取り締まりのため、関係当局の調査員などの職員を増やします。
オバマ氏は演説で、これまでも銃販売店が実施している身元調査を拡充することは、米憲法修正第2条が定めるといわれる武器所持の権利の侵害には当たらないと述べました。
オバマ氏は銃規制強化に反対する最大の圧力団体の全米ライフル協会(NRA)の反発を念頭に、「議会を人質にしているかもしれないが国民は人質にできない。大量殺りくが自由の代償だと受け入れる必要はない」と強調。銃乱射の犠牲者を思って涙を流しながら、銃規制強化を進めるための、議員や銃保有者を含む国民的多数派の形成を訴えました。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターの昨年7月に実施した世論調査によると、同身元調査の拡充に賛成は85%、政権与党の民主党支持層は88%、野党の共和党支持層でも79%でした。