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2015年12月27日(日)

米上院 大使など人事承認できず

キューバ国交回復・イラン核合意推進に反発

共和党の妨害に批判 “党派ゲーム”とメディア

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 【ワシントン=島田峰隆】米上院は、オバマ大統領が指名した大使や国務省高官などの重要人事をほとんど承認しないまま今年の審議を終えました。オバマ政権の政策に野党共和党の有力議員が反発しているためですが、党利党略から承認手続きを遅らせていることに批判の声が出ています。


 上院には人事を承認する権限があります。オバマ氏が指名したにもかかわらず、上院で審議が進まず、承認待ちになっている大使や国務省高官は現在のところ14人に上ります。裁判所の判事も多くが承認待ちです。

 米メディアは、承認が進まない要因の一つとして、来年の大統領選挙に共和党から名乗りを上げる上院議員を挙げます。オバマ政権の足を引っ張り、選挙戦で有利な状況をつくろうと「党派ゲーム」を進めていると指摘します。

 マルコ・ルビオ上院議員は、6月にメキシコ大使に指名されたジェイコブソン国務次官補(西半球担当)の承認に反対しています。同次官補はキューバとの国交回復にいたる交渉の米側代表。ルビオ氏は、キューバとの交渉を「独裁政権への譲歩だ」などと非難していました。

 テッド・クルーズ上院議員は、7月に欧米などとイランがまとめた同国の核開発をめぐる最終合意を「破滅的な合意だ」などと批判。オバマ政権が同合意を推進したことを理由に、オバマ氏が指名した大使や国務省高官の人事のすべてに反対しています。

 これに対し、民主党のベン・カーディン上院外交委員は、本人の資質と無関係な理由で承認を妨害する行為だと批判。「承認を拒む人はオバマ政権でなく米国全体を人質に取っている」と指摘しています。

 クルーズ議員の地元、テキサス州のダラス・モーニング・ニューズ紙は社説で「国の安全保障にかかわる、やむにやまれぬ問題や資質の問題がない限り、上院議員は指名を妨害すべきではない」と強調。一部議員が反対に固執しても、それを無視して承認手続きを進めるよう求めています。


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