2015年12月19日(土)
リビア統一政府へ合意
対立2派 実行は不透明
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【カイロ=小玉純一】リビアで対立してきた二つの主な政治勢力の代表者が17日、モロッコで、統一政府をつくるという国連の仲介合意に署名しました。ただ、両勢力の強硬派や連携する武装勢力が反対しています。合意当事者も「合意実行が大きな課題」と指摘するなど前途は容易ではありません。
合意したのは首都トリポリと東部トブルクをそれぞれ拠点とする勢力。それぞれに政府と議会をもつ格好です。合意は、東の議会を立法府、西の議会を諮問機関とし、9人からなる大統領評議会が新政府を1カ月で発足させるとしています。
他方、双方の議会議長は15日にマルタで協議し、だれにも合意に署名する権限はないと主張し、足並みが乱れています。
リビアは2011年、北大西洋条約機構(NATO)が空爆して支援した勢力がカダフィ政権を打倒。その後、混乱が続いてきました。それに乗じて過激組織ISも勢力を拡大。治安回復が急務となっています。
パリのテロ事件後、ISの台頭を懸念する欧米は、13日にローマで会合を開くなど、リビアの統一政府樹立へ諸勢力に圧力をかけてきました。