2015年12月15日(火)
現地の式典に1万人
中国 南京大虐殺から78年
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【南京=小林拓也】中国を侵略した旧日本軍が1937年に起こした南京大虐殺から78年となった13日、江蘇省南京の「南京大虐殺遭難同胞記念館」の広場で記念式典が開かれました。虐殺の生存者や南京市民、日本など外国からの参加者ら約1万人が参列。式典冒頭、市内にサイレンが響き、市内を走る自動車が一斉にクラクションを鳴らし、参加者と市民らが黙とうしました。
演説した全国人民代表大会(全人代)常務委員会の李建国副委員長は、南京大虐殺について「歴史の定説だ」と強調。日本の一部勢力の言動をけん制しました。合わせて日中関係に関し「歴史をかがみに未来に向かう精神で、友好と協力を不断に進め、世界平和と人類進歩の事業に共に貢献すべきだ」と訴えました。
式典に参加した生存者の1人は「日本政府はいまだに正式な謝罪をしていない。まずは謝罪が必要だ」と強調。高校1年の男子学生は「このような虐殺事件は二度と起きてほしくない。中日関係がもっとよくなってほしい」と語りました。
中国政府は昨年、12月13日を「国家哀悼日」に決定。今年は南京市内で犠牲者が埋葬された17カ所でも記念の活動がありました。