2015年12月12日(土)
サウジ きょう地方選
女性の立候補・投票初めて
歴史的一歩に
【リヤド=小玉純一】サウジアラビア史上初となる女性参加の選挙が12日、地方議会に相当する自治評議会で行われます。女性の投票も立候補も初めて。女性の政治参加の拡大として、歴史的一歩を踏み出します。
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サウジの人口はおよそ3000万人。報道によれば、有権者登録は約148万人。うち女性が約13万人で女性人口比でごく一部にとどまっています。
全国284の自治評議会で公選されるのは全体の3分の2の約2000議席(残りは政府の任命)。候補者は6917人、うち女性は979人。自治評議会は自治体首長の助言機関で、街路や公園、ゴミ収集などについて限られた権限を持っています。サウジで全国規模の選挙が初めて行われたのが2005年の自治評議会選挙で、今回が3回目です。
サウジでは、女性は車の運転が許されていません。就職や旅行、結婚なども男性の家族の同意が必要です。アラビア半島の君主制国家の中でも女性の権利がもっとも制限されている国です。
それでも前回11年の自治評議会選挙では、女性が有権者登録事務所に集団で押し掛けて登録を要求。投票できないのは不当だと行政裁判を起こした女性もいました。
これを受けて、アブドラ前国王は11年、女性の地方参政権付与を表明。13年には国政レベルの助言機関、諮問評議会(定員150人を国王が任命)に初めて女性30人を任命しています。
なおサウジは政党結成を禁じています。