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2015年12月10日(木)

「イスラム教徒の入国禁止」発言

トランプ氏 世界が非難

米大統領選で指名争い

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 来年の米大統領選へ向けた共和党の指名争いで支持率トップにある不動産王ドナルド・トランプ氏が7日の声明で、米国へのイスラム教徒の入国を一切禁止するよう政府に求めたことが、世界中で非難を呼んでいます。 (釘丸晶)


英首相「分裂もたらす、誤り」

マレーシア副内相「ISの思うつぼ」

 国連のザイド人権高等弁務官はトランプ氏の発言を、「非常に無責任であり、過激派の思うつぼだ」と批判。キャメロン英首相は、報道官を通じて、トランプ氏の発言は「分裂をもたらし、無益で、全くの誤りである」として「完全に不同意だ」との見解を発表。フランスのバルス首相は、「憎しみをあおり、間違った情報を流している」と短文投稿サイト、ツイッターに投稿しました。

 批判はイスラム諸国にも広がっています。マレーシアのヌル・ジャズラン・モハメド副内相は、「これまでの寛容で民主的な米国のイメージにそぐわない」とし、米国内に住むイスラム教徒に疎外感を与えることで、「ISの思うつぼとなりかねない」と指摘。

 パキスタンの人権派弁護士アスマ・ジャハンギール氏は、「これは最も無知で偏狭な考えだ。米大統領を目指す人が、パキスタンにいる無知な宗教指導者と競うなどとは思いもしなかった。われわれは米国ほど進歩していないが、決してそのような人々を選んだりしない」と語りました。

 パキスタン最大のイスラム聖職者団体・ウレマ評議会のアシュラフィ会長は、「あるイスラム指導者がキリスト教徒とイスラム教徒の間に戦争があると言うなら、われわれは彼を非難するだろう」とのべました。

 インドネシア外務省のアルマナタ・ナシル報道官は、「世界最大のイスラム教国として、インドネシアは平和と寛容を説くイスラム教の教えを支持する」と語り、「テロ行為は、いかなる宗教、国家、人種とも関係ない」とのべました。

 インドネシア第2のイスラム教徒団体であるムハマディアのディン・シャムスディン会長は、「現代のグローバル化時代に、米国への入国を禁ずる偏狭な人物がいるのは、ばかばかしい」とのべました。

 他国の選挙には口を出さないのが国際慣例ですが、トランプ氏のイスラム教徒への「ヘイトスピーチ」にたいしては、立場を超えた批判が高まっています。


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