2015年12月8日(火)
米VW工場に労組支部
南部で初めて
米南部テネシー州チャタヌーガにある独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の工場で4日、職場投票が行われ、2014年7月に同工場で結成された全米自動車労組(UAW)第42支部について、団体交渉の窓口とすることを賛成108、反対44で決めました。(山崎伸治)
職場投票を監督した全米労働関係委員会(NLRB)は結果を承認する見通しで、同支部は工場の正式な労組となります。UAWの支部が米南部にある外国系自動車会社の工場にできるのは初めて。反労組の傾向が強い南部で今後、労組の組織化に弾みがつくものとみられています。
同工場では14年2月、時間給労働者も含め1550人を対象に労組結成の是非を問う職場投票を行いましたが、反対多数で否決。同年7月に団体交渉権を持たないUAWの支部を結成しました。
同支部は今年10月、NLRBに職場投票の実施を申請。今回は組み立てラインの機械・ロボットの修繕にあたる技術労働者152人による投票となりました。会社側はその点に疑義を示し、投票についてNLRBに訴えるとしています。
労組結成の動きをめぐっては、地元の共和党議員や保守勢力が反発し、激しく攻撃。一方、地元の労組や市民組織は結成を後押ししてきました。
UAWのカリー南部地域責任者は4日の記者会見で「フォルクスワーゲンに対し、従業員の決定を尊重し、(UAW)支部を技術労働者の代表として認めるよう強く求める」と表明。第42支部のカントレル支部長は、できるだけ早い時期に会社側と団体交渉開始について話し合いたいとしています。