2015年12月2日(水)
国立大授業料40万円値上げに
文科省認める 畑野氏「撤回を」
衆院閉会中審査
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国会は1日、衆院文部科学委員会を開き、閉会中審査を行いました。日本共産党の畑野君枝議員は、財務省が国立大学運営費交付金の削減を求めている問題を取り上げ、「国の予算を削るため学生に大幅な授業料の値上げを強いることは許されない」とただしました。
馳浩文科相は「考え方は同じだ。財務省の考え方は本末転倒だ。経済的理由で断念せず、安心して学べる環境を整備していく必要がある。運営費交付金の確保に取り組んでいきたい」と答えました。
畑野氏は、財務省が求める自己収入増2437億円をすべて授業料で賄えばどうなるのかと質問。常盤豊高等教育局長は「授業料は93万円となり、40万円の増加になる」と答えました。
畑野氏は、奨学金で平均300万円、多いと1000万円もの借金を背負う実態をあげ、「高等教育の段階的な無償化を求める国際人権規約や、憲法が定める教育機会の均等に反する」と指摘しました。
交付金は法人化後1470億円も削減され、国立大学協会が「経済格差による教育格差の拡大につながる」「消費税や電気料金値上げで努力も限界」と訴えています。畑野氏はこのことを紹介し、「切実な声に応えるべきだ」と求めると、馳氏は「一律削減ありきの考え方に反対だ。物価動向や教育研究上の必要性を勘案し、交付金の確保に努めていく」と答えました。
畑野氏は、学費の連続的な値上げを許さない共同を呼びかけた日本共産党のアピールを紹介し、「国の大学予算削減をまかなうために学費を値上げするという方針を撤回させる。その一点で党派を超えて力を合わせたい」と述べました。