2015年11月30日(月)
政治資金不正の小渕元経産相
4団体で1.7億円カネ集め
企業献金と政党助成金どっぷり
3億円を超す虚偽記載があったとして、元秘書2人が政治資金規正法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた自民党の小渕優子元経済産業相(衆院群馬5区)が、2014年も四つの関連政治団体で、あわせて1億7000万円近いカネを集めていたことが、総務省と群馬県選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書でわかりました。
14年政治資金収支
資金管理団体「未来産業研究会」(未来研)は、「励ます会」名目で資金集めパーティーを開催したほか、個人献金653万円などで約6652万円の収入。このうち、約5980万円を集めたパーティーは、開催経費が約871万円で利益率85・4%という、べらぼうなもうけです。
家具販売大手「ニトリ」100万円など、購入者名が記載されているのは、2社1個人の計158万円にすぎず、“透明度”は、わずか2・6%。
小渕氏が支部長を務める「自民党群馬県第五選挙区支部」は、自民党本部から1900万円(すべて政党助成金)、企業・団体献金が約1307万円、群馬県医師連盟100万円など政治団体からの寄付が1482万円など、約4985万円の収入がありました。
企業・団体献金受け入れの二つ目の“財布”になっている「自民党ふるさと振興支部」は、第五選挙区支部を上回る約2647万円の企業・団体献金を集めるなど、約2950万円の収入。このなかには、「その他の収入」として「ビール券」「商品券」計32万7008円も。
東京・明治座での観劇会の収支のずれが問題になった「小渕優子後援会」は、「女性部大会会費」約2800万円、「野球観戦会費」90万円など、約3234万円の収入です。
政治団体間の寄付のやりとりを除けば、小渕氏が四つの関連政治団体で集めた政治資金は約1億6820万円にのぼります。
支出で目立ったのは、未来研の飲み食い。組織活動費の「会議費」の名目で、東京・永田町の料亭や同・内神田の炭火串焼き店、同・赤坂のそば屋などに計106回、464万870円を支出していました。
今回の事件の発端となった1億円の簿外支出の使途も明らかにされておらず、小渕氏の説明責任が改めて問われています。