2015年11月25日(水)
仏軍 IS空爆を開始
英も参戦意向 原子力空母から出撃
【パリ=島崎桂】地中海に展開中のフランス軍は23日、パリ同時多発テロで犯行声明を出した過激組織ISへの空母艦載機による空爆作戦を開始しました。同日、パリでオランド仏大統領と会談したキャメロン英首相は、英仏による共闘の必要性を強調。シリアでの空爆参加に向け、週内にも英議会に承認を求める意向を示しました。
報道によると、仏政府がテロ発生後にシリア近海に派遣した原子力空母シャルルドゴールから23日、複数の戦闘機が出撃し、シリアとイラクに向けて飛び立ったといいます。ヨルダンの基地からも仏軍機によるシリア空爆が実施されました。
オランド氏はキャメロン氏との共同会見で、「(ISに)最大の被害を与え得る標的を選ぶ」として、空爆強化の方針を改めて表明しました。
キャメロン氏は、「ISとたたかうオランド氏の行動を強く支持する」と述べ、シリアでの空爆参加を議会に提案すると表明。仏軍に対し、地中海の島国キプロスにある英空軍基地の利用を認める方針を示しました。
キャメロン氏は2013年8月、シリアのアサド政権による化学兵器使用の疑いから、同政府軍への空爆承認を求めましたが、議会で否決されていました。ただ、ISを標的とした空爆については最大野党・労働党のコービン党首も「検討する準備がある」としており、今回は承認される見込みです。
英仏両首脳は会談に先立ち、一連のテロで最大の犠牲者を出したバタクラン劇場を訪れ、献花しました。
オランド氏は、24日にオバマ米大統領、26日にプーチン・ロシア大統領、29日に習近平・中国国家主席と会談し、対IS「大連合」の構築に向けて意見交換する見通しです。