2015年11月22日(日)
対テロ「非暴力手段を」
南シナ海問題“結束して対応”
ASEAN首脳会議開く
【クアラルンプール=松本眞志】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の本会議が21日、マレーシアの首都クアラルンプールで始まりました。議長国マレーシアのナジブ首相は開会あいさつで、フランスで起きた同時多発テロを含む最近のテロ事件に言及。「マレーシアは可能な支援を行う用意があり、イスラムの名を汚す新たな悪とたたかう人々の側に立つ」と表明しました。
同首相は、「戦争を起こしたがっている者たちを打ち負かすためには、軍事的手段だけでは不十分だ」とし、「穏健主義」の重要性を強調。「“穏健”はイスラム教徒だけでなく、歴史的にも紛争解決のための非暴力的手段による推進力だった」と語りました。
今年末に設立を目指しているASEAN共同体については、「ASEANが地球規模の経済・安全保障機構の統合としてだけでなく、巨大な“好機”をもつ地域として見られるようになった」と主張しました。
南シナ海問題では、ASEANの結束した行動の重要性を強調するとともに「国際法に従った平和的手段による紛争解決が重要だ」と述べ、すべての関係国に、自制を発揮し、問題を困難にして緊張をエスカレートさせないよう求めました。
本会議で、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、南シナ海問題について発言。同海域での平和と安全が創出され、国際法が尊重される必要を訴えました。また、「世界的問題の解決に貢献する仲介者の一員となる必要がある」とASEANの役割についても語りました。
同日、ASEANと米国、中国、インドとの2者会談なども行われました。
ASEAN中国首脳会談では、ジョコ大統領が南シナ海問題について、「中国は南シナ海域での安定と平和を創出する義務があり、この海域での緊張を和らげなければならないし、緊張を生じさせる行為をやめなければならない」と主張。ASEAN側は、中国が91年の関係確立以来、もっとも重要で積極的な対話のパートナーになったと強調しました。