2015年11月19日(木)
ASEAN首脳会議始まる
共同体めざし宣言を採択へ
【クアラルンプール=松本眞志】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議と関連会合の公式日程が18日、今年の議長国マレーシアの首都クアラルンプールで始まりました。21、22日予定の首脳会議は、今年末の共同体設立、南シナ海問題、テロ対策などが焦点。ASEAN共同体が東アジア地域の政治・安全保障問題で「中心的役割」を果たすことを目指す「ASEAN2025クアラルンプール宣言」を採択する予定です。
「寛容と穏健の価値」重視
ASEAN共同体について、マレーシアの国営ベルナマ通信は、「平和と域内住民、繁栄に焦点を当て、すべての人のより良い生活をともに築き上げるために、域内統合を深化させる」としています。
マレーシアのアニファ外相は地元紙デイリー・エクスプレスのインタビューで、今回の会議が「共同体発足にとって重要な段階だ」と強調。「クアラルンプール宣言」で、今後10年間の行程表となる「ASEAN共同体ビジョン2025」が明らかにされると述べました。
アニファ氏は同ビジョンによって「域内統合の推進力を持続させ、共同体建設の努力を強化する」と指摘。「ASEANに影響を与える域内外の課題について効果的に対応」し、ASEANを「グローバルプレーヤー」に成長させると強調しました。
ASEAN共同体の3つの柱「経済共同体」「社会・文化共同体」「政治・安全保障共同体」の内容を詳しく説明しました。特に、政治・安全保障共同体については、パリ同時多発テロを踏まえ、「寛容と穏健の価値」を重視し、「統合された開放的で弾力ある共同体」を目指すとしています。
マレーシアのヒシャムディン国防相は16日、同国議会で、「われわれはISと真っ向から対抗する“穏健”イスラムを代表している」と発言。「マレーシアは東南アジア地域で重要な役割を担っている」と強調しました。
21、22の両日には、米国、中国、インド、日本、国連などがそれぞれASEANとの首脳会議を開催。東アジア首脳会議(EAS)も予定されています。