2015年11月16日(月)
市民らテロ犠牲者追悼
パリ 花やロウソク手に終日
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【パリ=島崎桂】パリでの同時多発テロ発生から一夜明けた14日、パリ中心部の共和国広場や事件現場周辺には、犠牲者を追悼し、花やロウソクをささげる人々が終日にわたり訪れました。
治安上の観点から、市当局が19日まで大規模なデモや集会を禁止する中、訪れた人々は静かに花を供え、犠牲者の名前とともに「みんな君を愛している」などと書かれたメッセージを残していきました。別れ際に「気を付けて」と声を掛け合う市民の姿もありました。
銃撃されたパリ中心部の劇場「バタクラン」近くで献花した男子大学生(21)は、事件当時劇場内にいたといいます。混乱した場内は「異様な光景だった」と振り返り、「1月のテロでは(イスラム教を風刺した)記者やユダヤ人が標的となったけど、今回のテロで宗教的な帰属は無関係だった。状況はどんどん悪くなっている」と語りました。
同劇場の近所に住む女性は、多くの若者が亡くなったことに触れ、「犠牲になったのは、私たちみんなの子どもだ」と声を震わせました。
パリ市内では14日、一部停止していた公共交通機関がほぼ平常運行に戻りましたが、通常の土曜日に比べて人影は少なく、事件現場付近を中心に、臨時休業する店舗が目立ちました。
1月に発生したパリ連続テロ事件直後には、イスラム過激派への不満からモスク(イスラム教礼拝所)や同教関連施設への放火、襲撃が相次ぎましたが、これまでのところ、こうした事件は報告されていません。