2015年11月10日(火)
独航空ルフトハンザ労組スト
賃上げ、早期退職維持求め
【パリ=島崎桂】ドイツ航空大手ルフトハンザの客室乗務員組合(UFO)は9日、賃上げや早期退職制度の維持を求めるストを実施しました。ストは、同組合が6日に発表した1週間の断続的ストの一環として行われたもの。1週間のストは、同社史上最長のストになるとみられます。
ルフトハンザ社は8日の声明で、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフの主要3港の発着便を中心に計929便が欠航し、10万人以上の客足に影響が出ると発表しました。6日には約300便、7日には約500便が欠航していました。
ルフトハンザはこれまで、55歳からの早期退職を認め、公的年金受給が始まる60歳までの間に、最大で現役賃金の60%にあたる企業年金を支給していました。しかし、格安航空会社との競合激化を受け、同社は2013年末、退職年齢の引き上げや企業年金制度の廃止を決めました。
同社のパイロットや客室乗務員は約2年にわたり経営陣との交渉を続けていますが、交渉は難航しており、昨年以降は断続的にストを実施しています。
UFOは今回のストにあたり、企業年金改革には一定の理解を示す一方、賃金や退職年齢に関わる要求に対して会社側は回答していないと主張しています。