2015年11月6日(金)
アフガン 米軍が人口密集地を空爆
北部病院爆撃の直前に
米紙報道 邸宅や倉庫が被害
【ワシントン=島田峰隆】米軍が10月3日にアフガニスタン北部クンドゥズにある病院を空爆した事件で、米軍はその数時間前に、人口密集地にある倉庫と邸宅も空爆していました。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が11月4日、現地当局者や目撃者の話として伝えました。
同紙は、病院や倉庫、邸宅への攻撃は「アフガン治安部隊が提供する情報の質や信頼性だけでなく、その情報に基づいて行動するという米軍の決定にも疑問を投げかけている」と指摘しています。
同紙によると、米軍は国際医療支援団体「国境なき医師団」の病院を空爆する直前に、住宅地にある倉庫と邸宅を空爆。死者は出ませんでしたが、建物は破壊され、周辺の家の壁や窓は粉々になりました。倉庫はお茶などを扱う会社で、邸宅は外国人ビザの管理事務所だったといいます。
アフガン当局者は、倉庫や邸宅に反政府勢力タリバンがいたため爆撃を要請したとしています。一方、住民は同紙に「倉庫の中から銃撃している人はだれもいなかった」「タリバンは爆撃があった前日には邸宅から去っていた」と話しています。
米軍高官は、クンドゥズで3件の空爆を行ったと認めています。
病院の空爆による死者はこれまでに少なくとも30人に上っています。米軍は7月には、東部ロガール州で検問所を空爆し、アフガン治安部隊兵士10人が死亡しました。