2015年11月2日(月)

トルコで総選挙投票

激戦を予想　左派、勢い保てるか

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（写真）軽快な音楽にのって踊りながら国民民主主義党（ＨＤＰ）支持をアピールする人たち＝10月31日、イスタンブール（小玉純一撮影）

　【イスタンブール＝小玉純一】トルコで１日、議会選挙の投票が実施されました。６月の選挙後、政党が連立せず、組閣できないままの再選挙となっています。

　６月選挙で２００２年以来初めて過半数割れした与党・公正発展党（ＡＫＰ）が過半数を奪還できるか、ＡＫＰを過半数割れに追い込む躍進をとげた国民民主主義党（ＨＤＰ）が勢いを保てるか、最後まで激戦となりました。

　クルド人を主な支持基盤とする左派のＨＤＰは、先月１０日のテロなどで失った多くの支持者・活動家らを追悼しながらの選挙戦。武装組織クルド労働者党（ＰＫＫ）と政府軍がトルコ南東部で７月に再開した戦闘の中止を求めています。

　イスタンブールの商店街で１０月３１日、地元活動家たちは「何があっても平和と民主主義」「何があってもＨＤＰ」と訴えていました。

　巻き返しを狙うＡＫＰはクルド人が多数住む地方を含めて各地で集会を開き、与党の力を誇示しています。ＡＫＰを実質率いるエルドアン大統領は１０月２９日、「５カ月続いた困難を再び体験することはない」「単独政権で安定を」と語り、６月選挙後のテロや通貨下落など国民の懸念に対し、「安定」を旗印にＡＫＰ単独政権の必要性を強調しました。

　一方で、エルドアン大統領のもとで最近続くメディア弾圧への批判が高まっています。

　大統領に批判的なテレビ局への当局の捜索に対しては、弁護士会が１０月３１日、違法だとの見解を発表。世俗主義の人民共和党（ＣＨＰ）や極右の民族主義者行動党（ＭＨＰ）も捜索を批判しています。

　トルコ議会選挙　一院制。５５０議席。任期４年。原則県単位（８５区）の拘束名簿式比例代表制。得票率が１０％を超えないと政党としての議席を得られません。