2015年10月22日(木)
IS空爆撤退を通告
カナダ次期首相 米大統領に
【ワシントン=洞口昇幸】19日のカナダ総選挙で保守党から政権を奪還した中道左派・自由党のトルドー党首・次期首相は20日、首都オタワで開いた記者会見で、過激組織ISに対する空爆作戦などのためにイラクとシリアに派遣していたカナダ軍戦闘機を引き揚げる方針をオバマ米大統領に伝えたことを明らかにしました。ロイター通信などが報じました。
トルドー氏は総選挙で、保守党のハーパー政権が参加した有志連合国による対ISの戦闘任務から撤退することを主張し、公約としていました。
トルドー氏は同日、オバマ氏と電話会談。米ホワイトハウスの発表によると両氏は、米国とカナダのすでに強固な関係を深化させることで合意し、対テロの国際協力や気候変動問題、環太平洋連携協定(TPP)などについて話し合いました。
IS対策でトルドー氏は、人道援助やイラク軍などの訓練は継続するとオバマ氏に伝えたといいます。戦闘任務からの具体的な引き揚げ時期については触れませんでした。トルドー氏は「オバマ氏は私の戦闘任務の終了に関する公約について理解している」と語りました。
アーネスト米大統領報道官は同日の記者会見で、トルドー氏の公約について問われ、「カナダはこれまで重要な貢献をしてきた」と述べた上で、「現在の支援をわれわれは頼りにし続けたい」と、戦闘任務継続を望む意向を示しました。