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2015年9月30日(水)

国連70年 平和への役割強調

総会一般討論始まる 各首脳が演説

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 【ニューヨーク=島田峰隆】国連本部で28日、各国の首脳らが演説する国連総会一般討論が始まりました。今年は国連創設から70年にあたり、各国は紛争の平和的解決や植民地の独立など国連が果たした役割や成果を強調。一方で、テロや各地で続く武力紛争、難民の増大、国連の機構改革など課題も多くあると指摘しました。


難民、紛争など課題も

 ブラジルのルセフ大統領は、国連創設後に植民地が独立し、環境保護や貧困撲滅など社会開発にも国際社会が取り組むようになったと評価しました。同時に、過激組織ISの台頭や難民の急増などに懸念を表明。「武力紛争を防ぎ、平和、社会的正義、飢餓や貧困の根絶を進めるという国連の責任」を改めて強調し、「平和や進歩を求める諸国民の要求に留意できるようになろう」と語りました。

 オバマ米大統領は、米国内も含めて“国連憲章の理想は達成不可能で時代遅れだ”という意見があることに対し、「世界の国々は紛争や抑圧という古い方法に戻ることはできない。今は相互につながった世界だ」と反論しました。

 同氏は「米国を守るために必要なら軍事力の一方的な行使もためらわない」とする一方、「どんなに強い軍事力があっても米国は世界の問題を単独で解決はできない」「イラクで米国が学んだ教訓は、国際的な規範と原則、法律のもとで他国と協力しなければ、成功しないということだ」と語りました。

 イランのロウハニ大統領は、7月にまとまった同国の核開発をめぐる欧米などとの合意について、「戦争の後に平和交渉をするのではなく、紛争が起きる前に対話に取り組んだ初めての前例になった」と指摘。合意を国連安保理が支持したことに関し、「国連は二つの世界戦争を経て平和と安全保障を維持するために創設された。それは有効でなかった場合も多かったが、今回は正しい決定をした」と歓迎しました。

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、テロ組織の台頭、疾病のまん延、難民の急増などに直面する今こそ「国際社会は国連に結集し、国連憲章の精神に立ち返るべきだ」と強調。自ら提唱する「北東アジアの平和協力構想」に触れ、目的は「信頼構築と協力強化の好循環をつくることだ」と紹介しました。

 南アフリカのズマ大統領は「国連憲章は世界の抑圧された人々の望みを体現してきた」とし、同国のアパルトヘイト(人種隔離)政策をなくすうえで国連が果たした役割を強調。10億人超が住むアフリカ大陸の国々が国連安保理常任理事国から排除されているのは「不当で受け入れられない」とし、「国連は1945年以来、世界が変わっていないふりをすることはできない」と機構改革を求めました。


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