2015年9月28日(月)
“軍事費を開発費に”
国連 首脳会合で各代表ら訴え
【ニューヨーク=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で開かれている国連持続可能な開発目標に関する首脳会合では、25日に採択した目標を実践するための資金をどう確保するかが重要な論点の一つになっています。このなかで巨額の軍事費を削って開発に回すべきだという声が出ています。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が今年4月に発表した報告書によると、2014年の世界の軍事支出は総額1兆7760億ドル(約214兆円)に上ります。
西アフリカのガンビアのネネ・マクドゥアル・ガイ外相は25日、「紛争は開発にとって最大の難題だ。開発の歩みを速めたであろう莫大(ばくだい)な資金が、破滅を招く武器に費やされている」と指摘。「国連や世界全体が紛争の対処に緊急の注意を払わなければならない」と語りました。
キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は26日、「毎年1・7兆ドルの軍事費が使われているなかで、資金がないという言い訳は通用しない。軍事費を削減しなければ、安定して長続きする平和も開発も不可能だろう」と発言。ボリビアのモラレス大統領は25日、「極貧に追いやられる人がいる一方で、世界の軍事費は天文学的な金額にまで増えている」と批判しました。
非政府組織(NGO)を代表して25日に発言した国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの代表は「武器の製造国になりながら平和を説くことはできない」と訴えました。